イベント
2024年8月22日
SuMPO環境ラベルプログラム事務局
【SuMPO環境ラベルプログラムについて】
Q1. 日本国内でEPDプログラムを運営しているのはSuMPOだけなのでしょうか?
A1. SuMPOは国内唯一のEPDプログラム運営機関です。
SuMPO EPDプログラムは、ISO14025に準拠するEPDプログラムとして世界で2番目に長い歴史を持ち、2002年に「エコリーフ環境ラベル」として始動して以来、20年以上の運営実績を持ちます。
Q2. SuMPO EPDはISO14040/44に準拠していると考えて良いのでしょうか?
A2. 本プログラムはISO14025及びISO14040/44に準拠し運営されています。
これらの国際規格に加え、PCR(Product Category Rule:製品群別LCA算定ルール)は追加的にISO/TS14027にも準拠し策定・管理されています。また、建築分野のEPDはISO21930にも準拠しています。
Q3. 説明会の中で「Scope1,2,3」という言葉が出てこないのは、ISOではこのような定義がないためでしょうか?
A3.「Scope1,2,3」は組織単位の活動による温室効果ガス排出量を算定する際に用いられる用語です。一方、EPDは、LCAに基づき製品単位の環境影響を多角的(温室効果ガスによる地球温暖化への影響に加え、その他の大気、土壌、水域等の影響)に評価する枠組みです。
製品単位の「LCA」と、組織単位の「Scope1, 2, 3」は、環境影響の可視化という点では共通するものの、評価の対象、目的、手法が大きく異なります。
Q4. サプライチェーンの事業者間で一次データ原単位を共有し、最終製品のEPD算定に組み込むには、具体的にどのような作業が必要となりますか。
A4. 部材や素材、部品等、サプライチェーン上流の事業者様が取得したEPDは、最終製品に関するEPD取得の際に、一次データ原単位として算定に用いることができます。
具体的な手順として、まずはサプライチェーン上流の事業者様がEPDを取得する必要がございます。その後、当該事業者様がEPDの「登録データ原単位登録申請書(FD-01-XX)」を事務局に申請することで、最終製品メーカー様がEPDを取得する際に用いるLCA算定ツールにデータが組み込まれます。
なお、本プログラムにおける算定ツール運用のアップデートに伴い、今後データの登録手続きは変更となる見込みです。
【PCRについて】
Q5. GPI公開に伴う既存PCRの改訂について、事務局にて一斉改訂を実施予定とのことですが、改訂はいつ頃の予定でしょうか?また、PCRを新たなGPIに適合させるために、事業者としてすべきことはありますか?
A5. GPIに伴うロゴや名称の変更等、PCRのエディトリアル(様式的)な部分は、事務局が今年度内を目途に一斉改訂を実施予定です。また、LCA算定やEPD公開情報に関する項目のうち、全てのPCRに共通して変更が必要になる部分(例:環境影響評価項目の追加変更や、必須開示項目の追記等)は、一部事務局の一斉改訂にて対応予定です。
ただし、PCRによっては、事務局による改訂だけではGPIに適合できない可能性のあるPCRもございます。事務局による改訂のみでGPIとの整合に必要な変更のすべてを網羅できるとは限りませんので、事業者様におかれましても、利用中もしくは利用を検討しているPCRをご確認ください。改訂が必要と思われる場合には、事務局までお問合せの上、改訂の申請を行ってください。なお、GPIへの適合のための移行期間は2024年度末までですので、2025年4月1日以降もPCRの有効性を維持するには、GPIへの準拠が必須となります。
Q6. 新たなGPIに準拠したPCRであるかは、どのように判断できますでしょうか?
A6. 新たなGPIに準拠したPCRは、これまでと異なるフォーマットにて公開され、GPIに準拠している旨がPCR本文に記載されます。また、PCRには更新(改訂)履歴が記載されておりますので、更新履歴からもGPIに適合するための改訂実施の有無をご確認いただけます。
Q7. 同一のPCRに基づいて算定したEPDは、どのような場合でも比較可能なものでしょうか?
A7. 同一PCRの利用は、製品間比較をする際の最低条件の一つではありますが、それだけでは比較可能性を判断するには不十分と言えるケースがあります。また、EPDそのものは比較主張をするものではありません(優劣を示すものではない)が、比較可能性を判断する際には、EPDが同一のPCR(バージョンも同じ)に準拠していることに加え、同一の機能を持った製品であるか、使用したLCIデータベースが同一であるか等、様々な要素の確認が必要です。比較可能性の判断に必要な情報は、今後発行されるEPD(GPIに準拠したEPD)においては必須開示項目としてより幅広く表示されますので、各EPDの開示項目をご確認のうえ、情報の受け手は比較可能性をご判断ください。
*本プログラムに関する情報発信を行う際は、EPDコミュニケーションフォームからご申請ください。
https://ecoleaf-label.jp/resource/gpi/
【システム境界】
Q8. EPDやPathfinder Framework、GHGプロトコル等では、システム拡張は採用不可という説明がありました。一方、ISO14044では、複数の製品が出てくる(共製品が発生する)場合、システム拡張によるアロケーション回避が優先して採用すべき手法として定められています。SuMPO EPDは、ISO14044と整合していると言えるのでしょうか?
A8. (GPI Annex-A.1)SuMPO EPDをはじめとする世界のEPDは、ISO14040及びISO14044に準拠した上で、「サプライチェーン全体を通した企業間のデータ流通」という目的を念頭に、ISO14044に記載のない追加の要求事項を設けることがあります。
また、EPDはISO14044に加えて、ISO14025とISO21930にも準拠する枠組みです。EPDは国際的にもシステム拡張を認めないことがコンセンサスとなっており、これは、EPDの国際規格であるISO21930にも明記されています。世界で2番目に長い歴史を持つEPDプログラムとして、SuMPO EPDも国際的なスタンダードと整合したGPIを定めて運営しています。
※一部例外的に、以下の条件全てを満たす場合においては、EPDにシステム拡張に関する情報を明記することを条件に、システム拡張を用いることを可能としています(2024年6月時点)。
Q9. 鉄鋼製品PCRでは、システム拡張によるアロケーション回避を行っているように思います。当該PCRは、今後使用できなくなるということでしょうか?
A9. (GPI Annex-A.1)全てのPCRは、2024年度末(2025年3月31日)までにGPIに適合するための改訂が必要です。GPIではシステム拡張によるアロケーション回避は採用不可ですが、Q8に記載の通り、2024年6月時点では、システム拡張について一定の条件を満たす場合のみ、一部例外を認めています。
Q10. Avoided emissions(削減貢献量)は、EPDの算定への組み込むことができないとの説明がありました。再生可能エネルギー由来の電力を使っている場合、どのように計算するのでしょうか?
A10.(GPI Annex-A.10)再生可能エネルギー由来の電力をLCA算定に用いることは、Avoided Emissionsとは無関係です。再生可能エネルギー由来の電力は、以下いずれかの場合にEPD取得に使用することが可能です。
*電力証書を用いる場合、トレーサビリティの確保やダブルカウントの回避等が保証されなければなりません。
Q11. 部分的ライフサイクル(Cradle to gate)でEPDを取得する場合、例えば廃棄に大きな負荷がかかると想定されるものについても、その部分を評価しないということもあるのでしょうか?
A11.(GPI Annex-A.6)EPDで評価対象とするライフサイクル段階が上流のみ(Cradle to gate)である場合であっても、廃棄による環境負荷が大きいことが明らかな場合等においては、EPD上の追加情報としての記載が必要です。また、EPDの基本は製品ライフサイクルを通した透明性の高い環境情報のコミュニケーションです。製造事業者として、全ライフサイクル段階を対象とすべきと考えられる製品であるのであれば、フルライフサイクル(Cradle to grave)での評価をするのが望ましいと言えます。
Q12. クリーンルーム下での製品生産では、空調エネルギーが大きなウェイトを占めるケースがあります。空調は季節変動が大きいため、特定期間の設備稼働ではなく、通年でのエネルギー使用量を基に算定するのが適切なように思いますが、正しいでしょうか?
A12.(GPI Annex-A.9)ご認識の通り、季節変動等の影響を加味した数字を用いる必要があります。一次データの品質要求事項に記載があります。なお、年ごとの変動が大きい場合には、複数年のデータを用いる等、変動を加味したデータでなければなりません。
【アロケーション】
Q13. 物理量や経済価値でのアロケーション(共製品への環境負荷の割り当て)を行う際、共製品への対象プロセスの配分はどのように行うのでしょうか?
A13.(GPI Annex-A.8)物理的関係性に基づくアロケーションでは、評価対象の製品共製品の物理的な割合(例:t、kg、m3)に応じて、環境負荷を配分します。また、物理的関係性でのアロケーションが適切でない場合には、経済価値でのアロケーションを実施します。経済価値アロケーションでは、評価対象の製品及び共製品の総量あたりの経済価値(例:円)に応じて、環境負荷を配分します。
Q14.「リサイクルされる廃棄物は、リサイクル準備段階までを製品システム境界に含める」という考え方は、以前の規程での考え方と変わらないのでしょうか?
A14.(GPI Annex-A.8) リサイクルされる廃棄物に関しては、旧規程の考え方から基本的に変更はありません。廃棄物は、PPP(Polluter pays principle:汚染者負担原則)に則り、当該廃棄物が「廃棄物として扱われなくなるまで」のプロセスをシステム境界内に含める必要があります。「廃棄物として扱われなくなる時点」とは、廃棄物のリサイクル準備段階が終了した時点で、例えば、リサイクルされる廃棄物がプラスチックであればベール化された時点まで、紙であれば梱包された時点まで、ガラスであればカレット化された時点まで、金属であればプレス処理された時点まで、システム境界内に含みます。
また、全てのケースに当てはまらない場合もありますが、一般的に「廃棄物でなくなる時点」とは、当該物質が「正の経済価値を有した時点」と捉えることができるケースもあります。
Q15. LCA算定を実施する製造事業者は、廃棄物の量を把握し、その量に最終廃棄までを含む二次データをかけ合わせた場合、その廃棄物はシステム境界に含められていると判断できるのでしょうか?
A15. (GPI Annex-A.8)生産・製造段階で排出される廃棄物は、その最終処理までを評価対象に含む必要があります。廃棄物の最終処理までを評価するためには、当然ながら廃棄物の量や各廃棄物の処理方法を把握し、適切なデータを用いて算定する必要があります。
【カットオフ基準】
Q16. カットオフ基準に関して「カットオフの結果、物質及びエネルギーそれぞれの投入量が100%未満となる場合には、外挿法等を用いて投入量の総量を100%として計算しなければならない」とあります。この「外挿法」とはどのようなものでしょうか?
A16.(GPI Annex-A.7)外挿とは、「ある既知の数値データを基にして、そのデータの範囲の外側で予想される数値を求めること」などと定義されます。実際の算定においては、カットオフを実施し、収集したデータが100%未満となった場合、データ総量が100%となるようカットオフ分を割り戻すなどして補正を行うことを指します。
Q17. カットオフ基準について、「各環境影響領域の95%以上を算定に含まなければならない」とあります。環境影響領域は、開示項目の5領域(気候変動、オゾン層破壊、酸性化、富栄養化、光化学オキシダント)すべてについてでしょうか?
A17.(GPI Annex-A.7)開示項目の全ての環境影響領域において、95%以上を算定に含む必要があります。
Q18. カットオフ基準について、「各環境影響領域の95%以上を算定に含まなければならない」とあります。100%分算定して評価した上でないと、要求事項を満たしているかの確認が出来ないのでしょうか?
A18.(GPI Annex-A.7)LCAの算定経験や知見を基に、明らかにカットオフ可能な項目等が、LCAのエキスパートジャッジによって判断できることがあります。また、PCR策定の段階で、対象製品におけるカットオフ対象項目を定めることもできます。
カットオフ基準の範囲に収まるかどうかが不明であったり不確かであったりする場合は、まずは全て算定に含めて判断することになります。いずれの場合も、検証においてカットオフ基準に収まることを説明できるだけの根拠が必要です。
Q19. 製品製造プロセスにて生じた排水を、社内で中和するような場合、その中和に必要な薬剤について、カットオフは可能でしょうか?また、その使用量を正しく把握できない場合は、どのように対応すればよいのでしょうか?
A19.(GPI Annex-A.7)カットオフ可能か否かは、GPIに記載のカットオフ基準に則り判断します。また、正確なデータを把握できない理由にもよりますが、複数の製品にまたがる処理プロセス等のデータは、アロケーション手法を用いて評価対象の製品に係る負荷を把握することも可能です。社内で実施するプロセスについては、基本的に、LCAの算定に必要なデータが取得できないということは非常に稀ですが、データ収集が不可能な項目においては、PCRにおいて一次データ必須等の定めがない限り、文献等の二次情報やシナリオ等での代替を検討します。
【機能単位・宣言単位】
Q20. 比較をする場合は、「機能単位」あたり(機能あたり)での比較が必要とのことですが、「宣言単位」あたり(重量等の物理量当たり)での比較は適切ではないのでしょうか?自社で調達する原料検討の際、環境負荷のより低い原料を選びたいのですが、宣言単位(例えば「原料1tあたり」)のデータで比較を行いたいと考えています。
A20.(GPI Annex-A.5)製品間比較をする際に留意すべき事項は多岐に渡りますが、「機能が同一」であることは、比較の際に欠かせない要素です(同じ1kgの製品同士でも、例えば強度や耐久性等が異なれば、重量当たりの単純比較は不適切です)。また、製品間比較においては、ライフサイクル全体で評価されていることも重要な要素です。
比較に関して「機能単位あたりでの比較を原則」としている理由は、機能単位を持つEPDでは「機能」が定義されており、かつ、使用や廃棄段階を含む「ライフサイクル全体での評価」を実施したものである、という点にあります。一方、「宣言単位」のEPD同士であっても、それらの機能が同一であることや、使用段階や廃棄段階で差が出ることがないことが明確な場合には、比較をしても問題ない場合もあるでしょう。
いずれにしても、EPDそのものは比較主張をするものではありません。上記以外にも、同じLCIデータベースを用いていることなど、比較の際に留意すべき点は多々ありますので、情報の受け手側の判断で比較可能性をご検討ください。なお、比較可能性に関する詳細な条件は、今後のGPI改訂において追記する方針です。
Q21. SuMPO EPDで公開されている宣言が、機能単位か宣言単位のどちらに基づいて算定されたものかは、開示情報のどこに記載がありますでしょうか?
A21.(GPI Annex-A.5)各EPDの1ページ目に、算定の単位に関する記載があります。GPI対応に伴い、今後EPDのフォーマットもアップデートされる予定ですが、いずれにしても単位はEPDの前半に明記されます。
Q22. 機能単位と宣言単位のどちらを用いて算定をするかは、PCR上で書き分けが必要でしょうか?
A22.(GPI Annex-A.5)機能単位・宣言単位はPCRで明確に定義されます。
【生物由来炭素】
Q23. 生物由来炭素の取り扱い方について、デフォルトの二次データベースであるIDEAの考え方とは整合しているのでしょうか?
A23.(GPI Annex-A.11)本プログラムにおけるデフォルトのLCIデータベースはIDEAです。現在多くの事業者様がEPD申請に用いているIDEAv3.1においては「0/0」アプローチ、2024年内を目途に利用可能となるIDEAv3.4においては、「-1/+1」アプローチでの算定が可能です。その他、本プログラムではecoinvent等のLCIデータベースも利用可能で、ecoinventでは「-1/+1」アプローチが用いられています。
Q24. 生物由来炭素を計上するタイミングですが、「-1/+1」アプローチを採用した場合、廃棄段階で埋め立て処理をした場合にはどのように計上することになるのでしょうか?
A24.(GPI Annex-A.11)埋め立て処理中や、処理後に大気中に放出される温室効果ガスは、排出量として計上する必要があります。
【マスバランス】
Q25. 環境価値の片寄せであるマスバランス方式は、現時点において「製品単位の環境影響評価には不適切」とのことですが、今後、適切な方法であると受け入れられる可能性はありますでしょうか?
A25.(GPI Annex-A.11)EPDにおけるマスバランス方式の適用可否は、今後も国際的議論が進められる見込みです。SuMPO EPDでは、国際動向を注視しつつ、国際ルールに整合し引き続き運用してまいります。
Q26. マスバランス方式の適用は不可となっている場合、既にマスバランス方式を採用している企業がEPDを取得しようとする場合、どのように算定したらよいでしょうか?
A26.(GPI Annex-A.11)環境価値を特定製品へ片寄せせずに(マスバランス方式を用いずに)、PCRに則り製品単位のLCA算定を実施します。
【電力データ】
Q27. 日本の電力データには原子力発電が含まれますが、核燃料廃棄物の処理の算定はどのように行うのでしょうか?IDEAの電力データを使用すれば良いということになりますでしょうか?
A27.(GPI Annex-A.10)電力供給システムの上流プロセス・送配電時の損失等発電に関わるプロセス・下流の排出物までが考慮されたLCIデータを使用することにより算定が可能です。IDEAに当該プロセスが含まれているかどうかは、個々の原単位の詳細内容をご確認ください。
Q28.「電力データは原材料調達段階から考慮されたデータでなくてはならない」とありますが、燃料データも原材料調達段階での排出量を含むのでしょうか?
A28.(GPI Annex-A.10)燃料のデータも最上流の原材料調達段階から評価対象に含む必要があります。
Q29. 太陽光・風力など電力データの原単位は、どのデータベースを使用するのが良いでしょうか?
A29. (GPI Annex-A.10)ISO14067:2018に基づき、電力供給システムの上流プロセスから送電、下流の排出物を含む電力データを使用してください。
Q30. 電力データについて、「送電中の損失、再生可能エネルギーにおいては設備建設に係る負荷も含む」とありますが、例えば、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)でのCO₂排出係数は使えないということでしょうか?具体的にどのようにして排出係数を求めればよいでしょうか?
A30. (GPI Annex A.10)温対法は企業(組織単位)の温室効果ガス排出量の算定と、国への報告に関する法律であり、SCOPE1及びSCOPE2のみを対象とした(フルライフサイクルではない)データです。また、評価対象の影響領域は、気候変動(GHG)のみです。
本プログラムが運用するEPDは、製品またはサービスの環境影響の定量評価のための枠組みであり、原材料調達の最上流段階を評価の対象に含みます。また、評価対象の影響領域は、気候変動に加え、オゾン層破壊や富栄養化、酸性化等の影響領域、更には資源利用に関するインベントリ分析結果を評価・開示します。
温対法のデータとEPDに用いることができるデータは、評価の目的及び評価範囲が全くことなるため、温対法のデータはEPDでは利用不可です。EPDにおいては、GPIの二次データ品質要求を満たすデータベース(IDEA等)を用いて算定してください。
Q31. 電力データの残余ミックスの原単位は、どこから確認ができますでしょうか?
A31.(GPI Annex-A.10)残余ミックスのデータは、EPDプログラムが提供するものではありません。コンサルティング会社にお問合せいただくか、IDEAに関するお問合せの場合はIDEA開発元の産業総合技術研究所(AIST)等にお問い合わせください。
Q32. FIT非化石証書やI-RECなどは、EPD取得に際し使用することは可能でしょうか?
A32. (GPI Annex A.10)各電力証書がISO14067:2018の条件を満たすか否かの判断は、検証にて判断されます。GPI Annex A.10に記載の条件をご確認の上、当該証書が電力証書に求められる全ての条件を満たす場合には、十分な根拠を検証にて提示し、適合性及び妥当性の評価を受けてください。なお、現状、本プログラムにおいて認められた(個別の検証を必要としない)電力証書はございません。
Q33. 電力証書の利用は、環境価値の片寄せ(禁止されているマスバランス手法)には当たらないのでしょうか?
A33. 電力証書の算定への組み込みは、マスバランス手法に類する考え方に基づくものです。電力を除き、一切のマスバランス手法の適用が本プログラムでは認められませんが(2024年8月現在)、電力においては、製品単位の環境影響評価における電力証書の扱い方がISO14067:2018に規定されています。不公平・不透明な片寄せが実施されることがないよう国際規格に条件が明記されており、本プログラムでは、当該国際規格の条件を満たす場合のみ電力証書を適用可としています。その他、マスバランス手法については、製品単位での評価に係る国際規格が存在しませんので、本プログラムで用いることができません。
なお、再生可能エネルギーと系統電力(非再エネ)の両方を調達する製造サイトで製造される製品のEPDにおいて、再生可能エネルギーの価値を特定の製品に片寄せする(ある製品は100%再エネ電力で製造したとする etc.)ことは、本プログラムで禁止されている環境価値の片寄せに当りますのでご留意ください。
Q34. 電力証書について、ISO14067に準拠しているかの判断が難しい場合は、プログラムに相談することはできるのでしょうか?また、電力証書を導入したEPDとして公開するまでのプロセス、スケジュールはどのようになりますでしょうか?
A34. (GPI Annex A.10)電力証書がISO14067:2018の条件を全て満たすか否かは、電力会社もしくは電力証書の発行元等にご確認ください。また、通常のEPD取得までに要する期間と相違ありませんが、検証合格後、検証有効期間の5年以内において、電力証書の適用に関する検証(翌年も引き続き同量の電力証書が購入され、評価対象製品に適切に充てられているかの確認)を毎年実施するルールが追記される見込みです。
【一次データ・二次データ品質】
Q35. 算定に用いる原単位(LCIデータベース)について、具体的な名称の記載(IDEA verXXなど)はGPIに記載が見当たりません。各PCRにて、使用するデータベースを規定する必要があるということでしょうか?
A35. (GPI Annex A.9)IDEAは本プログラムにおけるデフォルトのLCIデータベースに位置付けられます。なお、ご認識の通り、各LCIデータベースのバージョンに関する記載がGPIにはありませんが、各データベースのバージョン更新ごとにプログラムルールを改訂する必要がないよう、また、事業者様の国際対応において多様なデータベースを利用いただけるよう、特定のデータベース及びそのバージョンをGPIでは限定しない書きぶりをしています。各PCRでは、それぞれのデータ収集項目に対する一次データ必須/非必須について規定し、また、推奨される二次データ等が記載される場合があります。
Q36. EPDの申請に用いることができるLCA算定ツールのMiLCAは、基本の二次原単位(LCIデータベース)としてIDEAを活用しているかと思います。二次データ品質基準である、「直近5年以内、又は同等の有効性のある時間的範囲のデータであること」を満たしているのでしょうか?
A36. (GPI Annex A.9) GPI初版に誤記があり、二次データベースの品質基準は「10年以内」の誤りです。お詫びして訂正します。
Q37. 各国で原料の原単位は異なりますが、SuMPO EPDプログラムではそれらの扱いはどうなりますか?
A37. (GPI Annex A.9)本プログラムでは、日本国におけるLCA評価の公平性、EPDデータのサプライチェーン流通、及び製品間の比較可能性の追求等の観点から、日本国内の事業者様におけるEPD取得には、原則としてIDEAをご利用いただいています。ただし、IDEA以外のLCIデータの利用が妨げられるわけではなく、そのデータの有効性、データ選定の適切性及び妥当性等を検証にてお示しいただくことで、利用可能となる場合があります。
Q38. 原単位がデータ品質基準を満たしているかを判断するのは誰になりますでしょうか?
A38. (GPI Annex A.9)EPD取得事業者自らがデータを確認し、GPIの要件を満たしているかの判断をします。そのデータは最終的に、第三者の立場から検証員が有効性や適合性を審査します。
【EPDタイプ】
Q39. 発売前製品EPD(Prospective EPD)から通常のEPDに切り替える際、新たに費用や検証が必要なのでしょうか?
A39. 発売前製品EPDと通常のEPDは別物です。通常のEPD取得には、別途、通常のEPD取得のための手続きが必要で、別途料金も発生します。
Q40. 発売前製品EPD(Prospective EPD)について、発売前の製品であっても、既に類似の製品を製造している等、全く新しいプロセスでなければ、既存のデータ収集で算定は可能と思います。どの程度のものが、発売前製品として区別されるのでしょうか?
A40. 原則として、発売前製品に対するEPDは、当該製品に関するデータ品質基準を満たす一次データが取得できないため、発売前製品EPD(Prospective EPD)に当てはまります。ただし、既存の製造ラインを用い、既存製品の製造工程と同一であることが証明でき、用いる構成材料(原材料)の種類及びその比率の既存製品との差異が微少であること等が検証にて認められた場合、通常のEPDとして取得が可能な場合があります。当該情報(Prospective EPDと通常EPDの境界線)に関しては、次版GPIに記載予定です。
Q41. 単一EPD(Product EPD)と、それを含むグループ製品EPD(Group EPD)を併せて公開してもよいでしょうか?
A41. 原則1EPDにつき1つの数値の表示となりますので、単一EPDとグループ製品EPDは別のEPDとして公開していただく必要がございます。
【その他】
Q42. SuMPO EPDは、今後LIME3を使用するのでしょうか?
A42. (GPI Annex A.2)本プログラムにおけるデフォルトの影響評価モデルは、LIMEと定めております。なお、規則等でLIME以外の評価モデルの利用が必須とされている場合等、製造拠点の地理的特性等を踏まえ、LIME 以外の影響評価モデルが適している場合等においては、LIME 以外の影響評価モデルも利用を妨げるものではありません。
Q43. 排水を含む廃棄物の処理方法の定義によって、酸性化や水資源消費量等の影響領域における結果が変わると思います。これらの影響評価結果について信頼性の確保は、どのように行われますでしょうか?原料の産地・生産工場、及び計算する際の定義方法による数値の差異の大きさから、比較可能性について懸念しています。
A43. (GPI Annex A.2)EPDは、比較可能性追求の目的で、GPI(プログラム全体のルール)に加えて製品群ごとのPCRを策定し、各製品群のLCA算定に関する共通ルールを策定します。EPDは、全ての事業者が共通のPCRに則り策定する枠組みであり、PCRでは用語の定義や評価モデル、推奨のLCIデータベース等に関する記載がなされます。
また、公開されるEPDにおいては、算定に用いた評価モデルやLCIデータベースは必須開示項目となっており(GPI公開以降)、情報の受け手が製品間の比較可能性を判断するために必要な情報の開示が義務付けられます。なお、本プログラムにおける必須の開示項目は、EPDの国際規格であるISO21930に準拠しています。
Q44. 産総研からリリースされたIDEAver.3.4を利用すれば、EN15804+A2に準拠したEPDを取得することができるのでしょうか?
A44. (GPI Annex A.9)IDEA v3.4に対応したLCAツールが必要です。今秋にLCAエキスパートセンター社が発売を予定しているMiLCAクラウド版には、IDEA v3.4の搭載が予定されております。また、PCRがEN15804+A2に準拠した形に改訂される必要があります。
【SuPMO/第三者認証型カーボンフットプリント包括算定制度(以下、「包括算定制度」という。)との関係性】
Q45. SuMPO EPDと、SuMPOが運営する包括算定制度との関係性は、どのようになっているのでしょうか?
A45. SuMPO EPD(SuMPO環境ラベルプログラム)は、ISO14025に準拠したEPDプログラムであり、ISOに準拠し各製品のLCA算定に対する検証を実施します。一方のSuMPO包括算定制度は、SuMPOが有するLCAの知見に基づき定めたルールに基づき、企業が構築した算定・検証の社内システムに対してSuMPOが認証を実施します。EPDは評価(お墨付き)の対象が個別製品の算定であるのに対し、包括算定制度で評価の対象となるのは社内システムです(個別の製品の算定に対する評価は実施しません)。なお、包括算定制度では、企業内で算定ルールを構築する必要がありますが、その社内ルールをSuMPO EPDのPCRを基に構築することが可能です。
※包括算定制度についてはこちら
Q46. GPIで規定されるEPDシステム認証と、包括算定制度は同義でしょうか?
A46. 別物です。EPDシステム認証は、EPDの枠組みにおいて、LCA算定からEPDの作成、及び各EPDに対する検証の仕組みをEPD取得事業者内に構築し、それを認証する仕組みです。EPDシステム認証により、EPD取得事業者は、多量のEPDを効率的に発行することが可能です。また、QA44にある通り、包括算定制度は個々の算定に対する評価を実施しない(あくまで社内算定システムの評価のみである)仕組みです。仕組みとして類似する部分はありますが、評価範囲や実施目的、評価方法が異なります。